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真央ちゃんの演技を見てラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を改めて聴きたくなりました♪

ソチ・オリンピックのフリースケートで見せてくれた浅田真央ちゃんの「最高の演技」。手に汗握りながら、「頑張れ!」「そうだ!」そんな声をかけながらテレビを見ていた人も多かったのではないでしょうか。
自分の満足出来る演技をするということがどれほど大変なことなのか、音楽をやっている人、スポーツをやっている人等は、よくわかりますよね。
どこぞの元首相の心ない発言にはキレましたけど[むかっ(怒り)]

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ピアノ協奏曲第2番を作曲し始めた頃のセルゲイ・ラフマニノフ(1900年)

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●ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番が生まれた時

今回の真央ちゃんのフリーでの曲は、
セルゲイ・ラフマニノフ作曲
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18、第1楽章より。

この曲が出来た話は、マニアの間ではよく知られているので、ここから先は「今更感」があるかもしれませんが…(スルーしてね^^;;)。
ラフマニノフはこの曲を作る前に「交響曲第1番」を 作りました。が、初演の時に指揮者が曲を理解していなかったことが原因で大失敗をしてしまい、酷評されました。そのため、ラフマニノフは精神的に追い込まれて何年も作曲が出来なくなってしまったのです。
心の病を克服しようと、住む環境を変えてみたり、トルストイに会いに行ってみたり…いろいろ努力をしたのですが、なかなか思うようにはいかなかったようで、苦しみの期間は続きます。そんな時に巡り会えた精神科医(催眠療法医)ダール博士によって、少しずつ心が落ち着いていったのだそうです。

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(ラフマニノフと愛犬レフコ)

そして、作曲も始められるようになりました。
復帰第1作目が、この「ピアノ協奏曲第2番」なのです。
この曲の初演は大成功! ロシアの人々に愛される曲になりました。
真央ちゃんは……よく1日であそこまで心を切り替えることが出来ましたよね! 彼女自身、どう自分と向き合ったのかはわかりませんが、その「強さ」にも感動しました。
素晴らしいという言葉ではとても足りないくらいの演技を見せてくれて、熱いものが込み上げました。感動、勇気、希望…そんな想いで約4分の演技を泣きながらを応援していました。

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●ピアノ協奏曲第2番に聴こえる鐘の音

前回のバンクーバー・オリンピックで真央ちゃんはラフマニノフの「鐘」(作品3-2)を演じたこともまだまだ記憶に新しい気がしますが。
ピアノ協奏曲第2番の出だしの重厚な響きは、ロシア正教会の鐘の響き。オーケストラがメロディーを奏で始めたところ等も、いろいろな鐘の響きが鏤められています。

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(ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番の出だし部分)

ピンと張りつめた空気の中に、あちらこちらから聖なる響きが渦をまいて聴こえてくる中、真央ちゃんの表現もまた荘厳に鳴り響く鐘の音のように様々な表情を見せてくれました。

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●これぞ「ロシア」な演奏♪

この曲、録音がすご〜くたくさん出ています。私でさえ、自演を始め、アシュケナージ盤、小山実稚恵さん盤など5、6枚持っていますもの。
今は絶版になってしまいましたが、2000年に出版された「ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』にみる同曲異演の愉しみ」(門田純著/芸術現代社刊)という本には、この曲をずっと聴き続けられた筆者の方の106枚分のレコードやCDの演奏の特徴・データがまとめられています。同じ曲だけでこんなにあるんだなぁと思いながら読んだことを思い出しました。今は更に増えているのでしょうね。
そんなたくさんある演奏の中から選ばれた今回使用されたピアノ協奏曲第2番の演奏者は、これまた凝っていました。
作曲者はセルゲイ・ラフマニノフ。後に亡命し、アメリカに渡ったものの、ロシアを心から愛しているロシアの作曲家の作った曲。

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セルゲイ・ラフマニノフ(1873―1943)

ロシア色の濃いこの曲ゆえ、演奏者たちもロシア勢で揃っているものになったのでしょうか? ピアニスト、指揮者はロシア人、管弦楽もロシアのオーケストラです。
ピアノ:ボリス・ベレゾフスキー
指揮:ドミトリー・リス
管弦楽:ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
思い入れたっぷりに時間をかけて出だしの鐘を鳴らす演奏家も多いのですが、ベレゾフスキーは、結構速めのテンポで演奏しています。これから高みに向かっていくんだっていう予感的なものを感じる演奏じゃないかと思い、私的にはすごくツボです! ちなみにラフマニノフ自身が演奏した録音もかなり速めなんですよね(あっさりし過ぎているくらいです。。。)。
真央ちゃんの演技に使用されたのは当然のことながら全曲ではなく、カットやつなぎが入っているものなので、本当のラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を通して聴いてみたくなりませんか? 全曲通して聴いてみると、真央ちゃんのあの動きはこんなことを表現したかったのかも…とか、少し違った視点からも見えてくるかもしれません。
この曲のCDを持っていらっしゃる方もお手持ちの演奏とまた違った魅力に出会えそうですし、楽しめるのではないでしょうか。
私はラフマニノフが大好きなのでたまに聴くのですが、改めて持っているCDを引っぱりだして比較して聴いてみたくなりました。


第1楽章、第2楽章、第3楽章とある曲で、通して聴くと30分くらいの曲です。美しいメロディーがあちらこちらに鏤められているので、クラシックが苦手と思われている方も試しに聴いてみると意外とすんなり入ってくるかもしれません♪
今回の真央ちゃんの演技を見ていて、音楽と演技がすごく融合していると感じました。「総合芸術」ってこういうことなんじゃないかな…って思います。
(記事中の写真は、wikiより、パブリックドメインのものをお借りしました。)

CDを購入したくなった方はこちらからどうぞ。
真央ちゃんが使用したピアノ=ベレゾフスキー盤のCD(HMV&BOOKS online 1号店・楽天)
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iTunesでDLして聴きたい方はこちらからどうぞ
[次項有]Rachmaninov: Concertos pour Piano Nos. 2 & 3 – ボリス・ベレゾフスキー, Orchestre Philharmonique de l’Oural & Dmitri Liss

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コメント

  1. moz より:

    ラフマ好きです。その中でもこのPcon No.2 は3本の指に入ります ^^
    ぼくは小澤さんとツィマーマンの演奏が一番好きです。少しかっこよすぎるのかもしれませんが、繊細でロマンチック ♪
    ベレゾフスキーさんと、リスさんの演奏。実は? 今年のラ・フォル・ジュルネで同じ組み合わせで演奏されます。
    ぼくはすでにチケットゲットしてます 笑
    10周年のお祭りの中で、一番楽しみにしてます。

  2. うさ より:

    >mozさん
    レスが遅くなり、すみませんでした^^;
    Pコンはいろいろな人の演奏が出ているので、本当に迷いますよね。私はそれほどマニアじゃないので集めてはいないのですが、自然とたまっていて…(笑)。mozさんは小澤征爾さん&ツィメルマンがオススメなんですね。テンポとかどんな感じの演奏なのでしょう?
    それから、情報をありがとうございました! 記事でも共有させていただきました。私も今年は初めてLFJに行けそうなので(今まで仕事の繁忙期と重なっていたのですが、今年はなんとその前に終わりそうなのです!)このチケット早くも売り切れですね @@

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