ピアニストのラン・ランと「トムとジェリー」は切っても切り離せないからラン・ランが大好きな私は「トムとジェリー」のことをもっともっと知りたくなってしまいます。しかも、ラン・ラン・ネタの時の皆様の食いつきどころは、やっぱり「トムとジェリー」(笑)。
ということで、「『トムとジェリー』とクラシック音楽」なんて大それたタイトルをつけ、調べ始めてしまいました。
これ、調べ始めてわかったことですが、かなり「クラシック音楽」との関係が深いと判明。とても一度のブログ記事では補いきれないくらいです。
それで、とりあえず、まずは代表作からご紹介していきますね。
「ピアノ・コンサート」(The Cat Concert)の巻
ラン・ランがピアノを好きになった理由の一つでもあるこの「ピアノ・コンサート」。リストのハンガリー狂詩曲第2番が題材になっている作品です! これがなければ、ラン・ランは現在ピアニストにはなっていなかったかもしれなません…!!
「ピアノ・コンサート」
タイトル部分にかかっているのはショパンの前奏曲op28-24が原曲のようです。そして、トムが演奏し始めた曲は、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」が原曲(ピアノ・ソロ曲がオリジナル)で、アレンジしたのがスコット・ブラッドリー氏。
「The Cat’s Concerto」(猫の協奏曲)というタイトルがついているようです。
素晴らしい作品です! 昔作られた作品なのに、今でも十分楽しめますもの。音の流れと、その映像とのタイミングは絶妙だと思います。トムが弾いている鍵盤の位置が音楽とぴったりだし、凄すぎる!!! 途中、音楽だけ聴いていると「タメ」過ぎだろうと思うところもありますが、そのタメのタイミングも音楽的に「あり」な「タメ方」で、それでいてトムっぽいなとクスっと笑えてしまいます♪
この曲を作ったフランツ・リスト(1811〜1886)は、ハンガリーで生まれたピアニスト・作曲家です。
ピアノを習っている人なら誰もが知っている練習曲でおなじみのカール・ツェルニーや、モーツァルトと同じアントニオ・サリエリにも師事していました。
このハンガリー狂詩曲は19番まであります。そして、この「トムとジェリー」で使用されたのは、第2番嬰ハ短調(嬰=「えい」というのは「シャープ#」のことです)。
この19曲のうち最も有名な曲です。もともと若い頃に作った曲を改変して、1番〜15番を35歳〜39歳頃に作りました(残りはその30年後です)。マリーダグー夫人(3人の子供をもうけましたが、そのうち2人は短命でした)と別れて1年くらい経ってから書き始めた曲です。祖国ハンガリーへの思いがこもっている曲なので、民俗的な音階も見受けられます。
間に入っている曲はジャズかな。
と、こんな感じで、この「ピアノ・コンサート」は1947年にアカデミー賞を受賞している作品です。他にも、アカデミー賞を受賞している作品がたくさんあり、それらを集約したDVDがこちら
アカデミー賞のノミネート作品と受賞作品ばかりで構成されたお薦めDVDがこちらです☆
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このDVDに収録されている中に「ワルツの王様」というのもあり、こちらはヨハン・シュトラウスのワルツが使用されているだけではなく、ヨハン・シュトラウス自身も登場してしまうという作品。このお話については、別記事に書いてみました♪
こちらです→ 「トムとジェリー」とクラシック音楽 Part 2
このDVDに収録されている作品群は、全てアカデミー賞にノミネートされたり、最優秀賞を取った作品ばかりが連なっているだけあり、面白さは郡を抜いているかもしれません。13本収録されているのでお値段的にもお得感があります♪ 言語は英語と日本語が入っております。
〈2023年2月追記〉
トムとジェリーがタッグを組んだ?! テレビ初放映(2023年2月10日)されたDVDはこちらです。実写の世界にトムとジェリーが入り込んだ素敵な作品!! トムのピアノ演奏の特技を生かしたシーンも満載です(笑)。
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→ 映画 トムとジェリー
〈2019年4月追記〉
NHK Eテレの「ららら♪クラシック」(2019年4月5日放送、4月11日に再放送)で、サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルがスコット・ブラッドリー作曲の「トムとジェリー」を演奏しましたね! やっと再放送で見ることができました。
この番組では、上記で紹介させていただいたラン・ランも「トムとジェリー」の魅力について語られていました(*´艸`)
そして細部に渡る情景描写やトムとジェリーたちの発する声、イメージ音なども全て楽器で表現されているという魅力も改めて知ることになりました。いや〜面白かったです!!
そんな中で、ラストに「ヴァルトビューネ2015」で演奏されたラトル指揮/ベルリン・フィルによる「トムとジェリー」。エマニュエル・パユがフルートの席に、樫本大進さんがヴァイオリンの席に・・・・!!!!! やはりベルリン・フィルは超豪華ですね。団員さんたちも時にニヤニヤしながら、時に真剣に(すごいテクニックだと今更ながら!!)演奏されていました。
実はその演奏が、DVDやブルーレイにもすでに収録されているということがわかりました。超一流の演奏での「トムとジェリー」! 気になる方はぜひどうぞ♪ ↓(Amazonに飛びます)
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→ ヴァルトビューネ 2015
[収録内容]
アルフレッド・ニューマン : 20世紀フォックス・ファンファーレ、ブロニスラウ・ケイパー : 映画 「戦艦バウンティ」 ~ 序曲
デイヴィッド・ラクシン : 映画 「ローラ殺人事件」 ~ テーマ曲 「ローラ」、ジェローム・モロス : 映画 「大いなる西部」 ~ テーマ曲、コルンゴルト : 映画 「ロビン・フッドの冒険」 ~ シンフォニック・ポートレート、スコット・ブラッドリー : 映画 「トムとジェリー」、ミクローシュ・ロージャ : 映画 「ベン・ハー」組曲 ~ 序曲、戦車の行進、ジョン・ウィリアムズ : 映画 「インディ・ジョーンズレイダース / 失われたアーク」 ~ レイダース・マーチ、ジョン・ウィリアムズ : 映画 「E.T.」 ~ フライング・テーマ、ジョン・ウィリアムズ : 映画 「スター・ウォーズ」 ~ メイン・タイトル
(アンコール)リンケ : ベルリンの風
★
サー・サイモン・ラトル (指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
コメント
あの「本」に書かれていた「トムとジェリー」の
音楽が「ピアノ・コンサート」だったとは知りませんでした。
お勉強させていただきましたワン(^O^)。
>ゆみちゃんセンセ
ラン・ランはハンガリー狂詩曲をお気に入りの曲の一つだと以前言っていた意味があの本を読んでしっかり確信できました♪ ラン・ラン本の中にしっかり「ピアノ・コンサート」という文字が入っていた(25P)ので、探すのは結構楽でしたよん♪ この映像を見ていて驚いたのはちゃんと音と鍵盤の場所が合っていること☆ 実際にピアノを弾く人がしっかり絵もチェックしていたということなんでしょうね。
YouTubeで「トム・ジェリ」がこんなに鮮明な画像で楽しめるとは・・・まずそのことにびっくり。
ほんとにこの時代のカートゥーンDVDがお安くなってうれしいです。
この作品、とてもすばらしいし、楽しいですね。
生意気に、ジェリーがジャズってましたね。
余計なことですが、当時のアニメは動きと音楽を合致させることが大命題で、そのため、人がライブで演じたものをなぞって作画することもあったのですね。
この作品はそのもっとも高度な段階に当たると思います。
>sigさん
あ〜待っていました!! 知りたかったんですよね。この時代、どういう映画が主流だとか、どんなテクニックが駆使されていたとか。この短いコメントの中に私の知りたかったことが凝縮されていて、嬉しい限りです☆ ありがとうございました☆ それにしても、ぱっと出てきちゃうあたり、さすがですね♪
開店おめでとうございます♪(遅)
近所のパソコン屋さんのキッズコーナーで、
スクリーンでトムとジェリーを見せてくれてます。
もちろん、子ども達釘付け!
名作ですよね~v
群を抜く面白さなんて、要チェックですね。
なんかトムがオーケストラを指揮する作品もありましたよね。懐かしいです。
しかし、ラン・ラン君。若さゆえものすごい毛量というのもわかりますが、もうすこしヘアスタイルを整えたらどうかといらん心配をしてしまいます。
>ぴんくまさん
ありがとうございます♪ 足を運んでいただけてとても嬉しいです♪
いまどきのお子さんたちの目まで釘付けにしちゃうなんて!!
トムとジェリーは時代を越えても通用しちゃう内容なんですよね。これは凄いことだと思います☆ ホントこういうのを「名作」っていうんでしょうね☆
>chicoryさん
ホントに要チェックです♪
トムがオーケストラを指揮しているのは、「星空の音楽会」でしょうか? http://www.youtube.com/watch?v=j-YOWT1LQg4 「こうもり」序曲が使われているみたいで、最後のオチが最高に面白いと思います(笑)。
ラン・ランのヘアスタイル、chicoryさんのを読んでいて大爆笑しました。ホント、確かに髪の毛多いかもしれません。昔は角刈りでまるで「寿司屋のにいちゃん」みたいだったんですけれど、それに比べれば最近ちょっとは垢抜けしたと私的には思っているのですけれどね(笑)。ちゃんとムースもつけるようになってきたみたいですし。
はじめまして!ブログを拝見させていただきました。
「トムとジェリー」の音楽の使い方は本当にとても見事ですよね。「ピアノ・コンサート」もすごいですが、私は「へんてこなオペラ」が大好きです(これはいわゆる“まん中作品”です)。「星空の音楽会」や「新カルメン物語」のように音楽会を直接扱っているものの他にも、ちょっとした場面でいろんなクラシックが使われていたと記憶しています。続きの記事を楽しみにさせていただきます。
>MUUSAN
はじめまして♪ 訪問いただき、更にコメントまでいただき、ありがとうございます☆ 大感激です。実は何度かMUUSANのブログを拝見させていただいたことがございまして、すごい方だなぁ〜、コメントを残したいなぁ〜と思いつつ、なかなか残せないで帰ってきておりました。
クラシック音楽には広い範囲で精通されていらっしゃる方から、拙ブログを読んでいただき恐縮しまくりでございますが…(汗)。
実際に音楽会を扱っている作品はわかりやすいのですが(あとタイトルに入っているもの)、ちょっとした場面で使われているというのも、確かにすごくたくさんあるようなんですよね。今はYouTubeでかなりの数の作品数を見ることが出来るので、ちょぼちょぼとやってみたいとは思っておりますが…。さて、どこまで出来ることやら…と。しかも、私曲のタイトルとか意外と知らないんですよね。。。あ、聞いたことがある! と思っても、知人に「これってなんていう曲だっけ?」なんてしょっちゅう聞いたりしています(汗)。いろいろ教えていただけたら嬉しいです。どうぞ宜しくお願いいたします♪