「音楽室で使ったあの楽器、実はこんなに面白い!」
そんなコンセプトを掲げて、リコーダー、鍵盤ハーモニカ、ピアノという構成の「おんがくしつトリオ」が、今年(2015年)1月から正式な活動をスタート!
先週の土曜日(2015年4月11日)、日本ではまだまだ珍しいチェコのピアノ「PETROF(ペトロフ)」を扱っている「ピアノプレップ」にてサロン・コンサートが開催されたので、行ってきました! いや~楽し過ぎましたよ!!
●音楽の授業で手にした楽器たちの魅力
私の場合、小学生の時はソプラノ・リコーダー時々ピアニカ(鍵盤ハーモニカ)、中学生の時はアルト・リコーダーを音楽の授業で教わって弾いて(吹いて)きたけれど、ピアノを習っていたこともあり、正直なところこれらの楽器にあまり執着とか興味は膨らまなかったなぁ…^^; なんて記憶をたどっています。
…が!!!!!
実はこれらの楽器って、本気で取り組めばやっぱり「楽器」なわけで…。とても豊かな音色で「音楽」を楽しめてしまうものなんですよね…って本来の魅力に、今さらながら気づかせていただきました。
演奏者によって、ここまで印象の変わった楽器って初めてかもしれません(笑)。
● おんがくしつトリオのメンバー
おんがくしつトリオのリーダーはピアニストの内藤晃さん。
内藤さんは、表現の引き出しをたくさん持っているピアニストで、ぐいぐいと心に染み込む音楽を届けてくれる演奏をされます。
今回はチェコのピアノということもあり、ピアノ・ソロでは、チェコの作曲家ヤナーチェクの『草かげの小径』第1集から“風に散る木の葉”を演奏されました。その繊細な音色、色彩感などで会場を酔わせました♪
すでにCDも何枚か出されており、私も愛聴盤として何枚か持っています^^* 私的にオススメは、デビューCDだった「Primavera」♪
メトネルのPrimavera(春)という曲が収録されているCDです。
ピアノの他にも、指揮、作曲や編曲、そして執筆と多岐に渡りその才能を発揮され、おんがくしつトリオのレパートリーも内藤さんが手がけたアレンジ曲が多数とのこと。
リコーダーは、中村栄宏さん。
親しみやすい笑顔とトークが印象的な中村さん。リコーダーの実力も全日本リコーダーコンテストで金賞受賞を重ねていたり、たくさんの作曲家から作品を献呈されるほど!
今回のコンサートでも、リコーダーの様々な魅力を音と共に伝えてくださいました。
吹く姿勢によって出てくる音色が変わってくることや、リコーダーの孔のしくみなどもわかりやすく教えていただきました。
音楽の授業ってこんなふうに進むとすごく楽しいだろうなぁって思います。小学生の子たちも何人か聴きにきており、みんな最後まで集中して聴いていたし、終わった後のこの笑顔はなによりも「楽しかった時間」を証明してくれますよね。
鍵盤ハーモニカは、菅谷詩織さん。
なんてチャーミングな笑顔でしょう♪ 演奏に入るとスイッチが切り替わり、とても艶っぽくて女性の私もドキっとしちゃうくらいでした(笑)。もともとピアニストで、鍵盤ハーモニカはなんと独学! 数々の技を見せていただきました。
例えば、同じ和音が続く時は、指を鍵盤から離さずブレスで調整したり、時々左手がくるっと反対側からお助けマンのように登場したり。
昔昔…柔道一直線というドラマがあって、足の指でピアノを弾くというシーンがありましたけれど…(歳がバレますね)、そこまではさすがに大げさですが、反対からの指の進行は全く反対の動きになるわけで、すごい技だなぁと思って見ていました。
音色にとても表情があって、「鍵盤ハーモニカ」という楽器をすごく見直してしまいました。
どうしてこんなに豊かな音が出るの? お腹を使って息を吹き込んでいるあたりにもしかして秘密があるの? なんて思って演奏後にうかがってみたら…!
身体全体に息をいれている感じなのだそうです。お腹と胸と…という感じ。なんと! その息を入れる瞬間「触っていいですよ」なんて言ってくださって、触らせていただいちゃいました ^^* 声楽と似ているかも。身体全体が楽器のような感覚なのだそうです。
表現したい内容によって、息を入れる場所も微妙に変えているのだとか…! へぇ〜〜!
● 心から音楽を楽しめるコンサート
そんな3人の演奏は本当に「音を楽しむ」姿そのもの! 聴衆も自然と笑顔でゆったりと(うっとりと)身を委ねていました。
プログラムは、
モーツァルト/フルート四重奏曲 ニ長調 K.285より
ビゼー/オペラ『カルメン』より、
前奏曲、間奏曲、アラゴネーズ
ボラン/『フルートとジャズ・ピアノ・トリオのための組曲』より
Sentimentale(センチメンタル)
ピアソラ/『タンゴの歴史』より
Night-club(ナイトクラブ)1960
サン=サーンス/組曲『動物の謝肉祭』より
水族館、白鳥、フィナーレ、他、ポップス系数曲
なんとなく、前記事にあげた新垣さんと礒さんたちのレパートリー曲と重なる感じがしました。もしかすると…コラボするとすごい化学反応が起こるかも…(笑)?!
クラシックはどれも耳慣れた曲ばかりでしたが、今まで聴いてきた音楽とはひと味違った面白さが浮かびあがってきました。
ボランのセンチメンタルは、今まで聴いたことがなかった曲でしたが、3人の演奏があまりにも表情が豊かに心に沁みてきて思わず泣きそうになっちゃいました。
ポップス系の中では、「赤いスイートピー」も演奏されました。
聖子ちゃん世代でかなり聴き込んでいる私としては、アレンジ的に、この曲の前奏のシンコペのメロディーライン ♪ソファ#ソレーソーファ#…(楽譜はG-Durで作成しましたが調性が違うかもしれません…)は、入れて欲しかったなとか、メロディーの出だしはスイートピーの花びらが透けるような透明感で、鍵盤ハーモニカではなくリコーダーのイメージかな…とか、ちょっと欲ばりな意見も書いておきましょうか(エラそうにすみません^^; )。
そうは言っても、本当に素敵な演奏の数々に「行って良かった!」と思える素敵なコンサートでした。
これから様々なところできっとコンサートが開催されると思いますので、「おんがくしつトリオ」の名前を見つけたら速攻でチケットをゲットしましょう!(あっというまにソールドアウトしちゃいますから〜)
そうそう! ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015にも出演が決まったのだそうです。ピアノのない場所なので、リコーダーと鍵盤ハーモニカのデュオでの登場です♪ 入場無料なので、ぜひぜひこの機会にどうぞ
2015年5月4日16時、新東京ビル1F「エレベーターホール」
活動情報は公式ページでどうぞ
「おんがくしつトリオ」公式ページ
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おまけ情報 〈チェコのピアノ「PETROF」を知りたければ…!〉
ピアノプレップの代表で技術者の山内敦さんは、
「情緒豊かなピアノは最近減ってきていますが、PETROF(ペトロフ)は木のぬくもりを感じる優しい響きのピアノです。」
と、このコンサートでペトロフについて紹介されていました。
ボヘミアの森で育った響板と独特の製法によるこのピアノは、日本ではまだあまり見かけませんが、ヨーロッパでは、かなり普及しているのだそうです。
美しい木目のピアノが常設されているピアノプレップさんでは、試弾なども気軽にさせていただけるアットホームなお店なので、詳しく知りたい方、興味のある方は、足を運ばれてはいかがでしょうか ^^*
所在地などは公式HPでご確認ください。
*記事内の写真は、ご本人やお店の許可をいただき掲載させていただいております。
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