2016年1月10日、デヴィッド・ボウイが天に召されました(享年69)。癌と闘った18ヶ月。家族に見守られながらあちらの世界に旅立たれたそうです。
心からご冥福をお祈りいたします(合掌)。
デヴィッド・ボウイ(2002.8.8、(c)Adam-Bielawski、wikiよりフリー画像をお借りしました。)
特にファンだったわけではなかったけれど、デヴィッド・ボウイの曲はたまに聴いていて、30年くらい前の曲でも鮮明に覚えていたりするので、やはり彼のインパクトは凄いものだったのだと今更ながら思います。このニュースを聞いた時、「Starman」が頭の中にすぐに鳴り響いたくらいですから…。
凄いアーティストではありますが、なぜクラシック音楽のこのサイトで取り上げるのかと言いますと…! 実は、デヴィッド・ボウイがクラシック音楽の録音に携わっているCDを見つけたからなんです。訃報を知る前に見つけていたのですが、記事が遅くなって結局、追悼状態に…orz
息子のためにオファーを受けたデヴィッド・ボウイ
クラシック音楽とは一見、縁のなさそうだったデヴィッド・ボウイですが、1978年に発売され、2013年に再発されたCD『ピーターと狼(David Bowie narrates Prokofiev’s Peter and the Wolf)』で、ナレーションを担当しているのです。
指揮:ユージン・オーマンディ
フィラデルフィア管弦楽団
プロコフィエフ(1891-1953)/Peter & Wolf: Ormandy / Philadelphia O David Bowie(Narr) +britten: Young Persons
【収録曲】
プロコフィエフ/『ピーターと狼』[75年10月]
ブリテン/青少年のための管弦楽入門[74年3月]
チャイコフスキー/バレエ音楽『くるみ割り人形』組曲[72年3月]
ボウイが息子のためにナレーション役のオファーに応じたということで、見事なストーリー・テラーを演じた名盤中の名盤です。(HMVより)
ボウイのナレーションがすごく優しい声なんですよ。歌っている時とはまた違った魅力を感じます。
プロコフィエフの「ピーターと狼」
クラシック音楽初心者の方などは、もしかするとピンとこないかもしれないので、ここで少し「ピーターと狼」について書き添えておきますね。
「ピーターと狼」は、ロシアの作曲家、セルゲイ・プロコフィエフ(1891―1953)が1936年に作曲した交響的物語です。その頃、プロコフィエフは、バレエ音楽「ロメオとジュリエット」の第1組曲、第2組曲や「エフゲニー・オネーギン」なども作曲しています。
この曲は、小学校の音楽の時間にレコード鑑賞した記憶が残っているのですが、皆さんはいかがですか?(時代が変わっているので、どうでしょう?)
登場人物を象徴するメロディーが提示されて、それをたどっていきながら、お話が進行していくという音楽物語です。
例えば、
主人公のピーターという少年は、弦楽器で軽やかなモチーフ
小鳥はフルートでさえずるようなモチーフ
狼は3本のフレンチホルンでちょっと怖い印象のモチーフ
こんな感じで割り振られていて、その時、その場所に誰がいるのか、音を聴けばわかるという音楽の作りになっているんです。
(上の楽譜は、耳に覚えている「ピーター」のメロディーを「MuseScore」で作成してみたのですが、正確ではないかもしれません。あしからず。)
楽器の音色を覚えられるので、音楽の授業にはうってつけの教材なんですよね。更に「ナレーション」が付いているので、簡単に情景を想像することが出来る曲です。
この「ナレーション」部分ですが、変わりだねとして、ゴルバチョフ、クリントン盤があったり、日本語では、明石家さんまの録音もあったりして「ビックリポン」です(笑)!
プロコフィエフ(1891-1953)/Peter & Wolf: Nagano / Russian National.o Gorbachev Clinton S.loren (Hyb)
デヴィッド・ボウイの最新アルバム
いろいろ脱線しましたが、ボウイの話に戻しましょう。
デヴィッド・ボウイが69歳になる誕生日の 1月8日には、ニューアルバム『★(Black Star)』が発表されました。遺作となってしまったこのアルバムですが、今週の「ビルボード200」チャートのトップを飾ったそうです。
これまで合計27枚のアルバムを発表していて、過去に1位を獲得しているものの、米国内では初のナンバーワン・アルバムなのだそうです。この朗報は、天国のボウイにも届いていると良いですね。
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