今日7月10日はドイツの作曲家でもあり、教育者でもあったカール・オルフ(Carl Orff=1895年7月10日〜1982年3月29日)という人のお誕生日。
こうして改めて生きていた年代を書き出してみると、自分とも重なる部分も多く、最近の作曲家だなぁと今更ながらに実感します。クラシック音楽といっても「現代音楽」に分類される人なのかな。
オルフと言えば、世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」という曲が真っ先に思い浮かびます(というか、これしか知らないかも)。
タイトルだけ聞くと「とっつきにくそう」なんて思うかもしれないけれど、合唱とオーケストラで織りなされる曲で、映画やゲームのBGMでも多く使われているから、きっと聴けば「ああ、この曲〜!」ってわかると思います。
初めてこの曲を聴いたのは、大学生の頃。同じ学生たちの合唱発表会みたいなもので、「カルミナ・ブラーナ」から抜粋した2、3曲を聴きました。もう○十年も前のことだけれど、ものすごい衝撃を受けて鳥肌がたったことだけはしっかり覚えています。
もともとは、中世の詩歌集を題材として、作曲されました。全曲通して聴くと、本当は1時間くらいの大曲なのですが、中でも「おお、運命の女神よ」の部分が一番有名な旋律だと思います。(きになる方はyoutubeで検索かけてみてください)
とても不安な和音から始まるけれど、最後の最後に導かれていく部分は、ほんの一瞬ですが希望的要素が含まれているように思えます。それは、おそらく彼自身が教育者だったこともあり、しっかり人と向き合ってきた中で作られた音楽だからなのではないのかしら…。
この曲に関してもう一つ書くと、ナチスとの絡みがあります。
初演された頃はナチスが幅をきかせていた頃で、この曲をナチス党員がとても気に入り、宣伝を支援したことから、オルフもナチス党員と思われてしまったこともあったようです。実際は違ったということですが。だからユダヤ系の指揮者等は、オルフを毛嫌いして絶対に振らないという人もいるみたいですね。
音楽に政治的なことは関与しないと割り切って録音を残しているカラヤン、オーマンディ、メータという巨匠クラス級の指揮者たちも、もちろんおります。
作曲家や演奏家たちって、政治的な要素や時代背景とか、演奏や作品に強く影響してくることって多いんですよね。だから、それらを調べた上で改めてその曲(演奏)を聴いてみると、別の世界が見えてきたりすることもあるんです。これはクラシック音楽を聴く上での醍醐味の一つかもしれません。
現在入手しやすいCDはこちらあたりかな。個人的にはいろいろな批評を読んでみると、プレヴィン盤を聴いてみたいので、こちらに参考までに入れておきます♪ ジャケ写もこの曲のイメージにピッタリな感じですね^^
コメント